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ニュース

2020年3月11日 (水)

第8回総会議案

「慰安婦」問題とジェンダー平等ゼミナール第8回総会議案を掲載します。会員の皆様には2020年3月10日発行のニュース第39号に掲載し、3月10日発送しました。

 

*略称 「『慰安婦』問題とジェンダー平等ゼミナール」⇒「当ゼミナール」

2019年度の情勢

「慰安婦」、植民地支配、戦争加害責任の暦代政府のささやかな「反省」すら踏みにじってきた安倍政権は“モリカケ問題”に続き総理の桜を見る会の「公的行事」の私物化、首相後援会前夜祭の政治資金規正法違反疑惑、招待者名簿廃棄等で国会答弁不能に陥り「政権の命、旦夕に迫る」状況である。

「慰安婦」「徴用工」日韓関係-文在寅大統領は2018年11月日韓合意(2015年12月)で設立した「和解・癒し財団」解散した。拠出金10億円は元「慰安婦」47人中34人、遺族199人中58人が受け取り、元「慰安婦」2人と遺族13人が審査待ち(朝日2019.1.28)で宙に浮き、これに対し日本は強く反発し日韓関係は最悪になった。

また2018年10月、韓国の大法院で過酷な労働現場で労働させられた元徴用工の損害賠償訴訟の判決が出された。安倍政権は、「解決済み」を声高に述べ韓国側で解決するように要求し続けているが、あの戦争中の日本政府の政策として行い隣国の市民に多大の損害を与えた事件として日本国と加害企業とで解決すべき事件である。いたずらに 感情的な対立があおられている状況のもとで、日本の市民として植民地支配の歴史をきちんと共有し、日本の市民の側から政府と企業の態度を変えていく努力が求められている。

表現の自由の危機―8月1日開幕の「あいちトリエンナーレ」企画展の韓国人「慰安婦」を彷彿させる「少女像」展示等に不当な脅迫が殺到し名古屋市長や右翼も同調し3日で中止、また文科省の補助金不交付の決定は憲法の禁じる「検閲」の疑いがある。「慰安婦」をテーマにした映画『主戦場』自主上映への妨害・自粛も起きた。しかし市民の運動で上記企画展は大会最終日1週間前に再開、『主戦場』も春日部市等各地で上映を勝ち取っている。

女性の人権―性暴力被害者の名乗り出の運動・アメリカ発#MeToo(ミーツー)の広がりー2019年12月東京地裁は伊藤詩織さんの訴えを認め山口・元TBS記者の準強姦行為に対し330万円の損害賠償を言い渡した。これに力を得た性暴力被害者の各地で性暴力に抗議する「フラワーデモ」はさらに広がって刑法の強制性交等罪(強姦罪)の構成要件の改正等を訴えている。

2018年に女性議員を増やすため『政治分野の男女共同参画法』が施行され2019年初めての一斉地方選挙では各級地方議員の女性の当選者は各1%程度の微増にとどまり見るべき成果はなかった。6月の参議院通常選挙は女性議員の当選者数は28名(22.5%)で3年前と同じに留まった。世界経済フォーラムの2019年のジェンダーギャップ指数が153か国中121位の日本で、当ゼミナールの更なる奮闘が求められる。

 

Ⅰ 2019年度の当ゼミナールの活動

  • ゼミナールの地方開催

「ゼミナールの開催を各地で」の方針により青森県ではゼミナールと共催の「出前講演会」を開催できた。915日青森市は青森県母親実行委員会、大森典子副代表が「戦争と人権」、23日弘前市で憲法9条つがる女性の会で吉川代表が「『慰安婦』問題から考える女性の人権」、で講演。参加者は2会場で212名。八戸、むつ市、五所川原市、平川市、黒石市など遠くからの参加、さらに現職の地方議員の参加もあった。

開催できた要因と成果~

⒈東京からの講師の交通費や謝礼などの経費をゼミナール側が負担、会場を公共施設で安く借りられた

⒉ニュースを読むだけの会員にとって、ゼミナールの代表、副代表がやってきて学べるいい機会だと受け止められたこと。

⒊参加者にとってよくわからなかった「慰安婦」問題――もう終わった問題、または日本の過去の歴史問題だと考えられてもいた。講演を通して、「慰安婦」問題は日本社会に通底する根深い女性差別問題であり、現代に通じるジェンダー問題だと理解されたことは大きな成果である。

今後、各地での「出前講演会」開催は、被害者が生存している間に解決ができなくても、私たち日本人がきちんと「戦後責任」を果たす重要な歴史的取り組みであり、全国に組織する会員を活かす活動となる。

また、7月27日、大田区新婦人のキャッロト班との共催による具島順子運営委員の講演会には72名参加、9月23日、婦選会館での東京AALAとの共催で行った大森典子副代表の講演会には参加者は44名だった。

 

  • 「連帯のつどい㏌春日部」(映画『主戦場』上映会)

11月2日、当ゼミナールと「埼玉アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会」(埼玉AALA)との共催で「2019連帯のつどい㏌県春日部 映画とお話」を実施した(前年度の加須市「連帯のつどい」に続き2度目)。映画は『主戦場』(デザキ監督)、講演は関原正裕・日朝協会埼玉県連合会会長。会場の埼玉県春日部市文化会館小ホールは満席(400席)となり、「慰安婦」問題を市民に広く知らせることができた。これは1990年代から『慰安婦』問題解決について政府へ請願を出し続けている埼玉AALAが組織を挙げて取り組んだ結果でもある。(なお春日部市は吉川代表の国会議員以前の活動地域)。

あいちトリエンナーレ中止、政府の補助金不交付等表現の自由が脅かされる情勢や、『主戦場』の一部出演者の提訴で上映自粛の動きが広がる中で成功した意味は大きい。

当ゼミナールは5回の実行委員会にメンバーを送り大量のビラの宣伝を行った。他方チケット販売数は全体の1割強に止まり、開催地が首都圏にもかかわらず当日参加の役員は数名に留まる等反省点がある。2020年度も『主戦場』の上映を予定しているので教訓としたい。

 

  • フィールドワーク

11月19日~20日、今年のテーマは「毒ガス、風船爆弾製造の大久野島と軍港呉の旅」。現地では学徒動員で風船爆弾製造、毒ガス運搬に携わり現在も語り部として国際的に活動を展開する岡田黎子さんの1時間超の講演を聞き、『大久野島平和学習ガイドブック』の著者で大久野島戦争遺跡の研究者山内正之さんの案内で大久野島をめぐった。

平和のメッセージを世界に発信するヒロシマから20キロの呉市ではかつての軍港復活が生々しく伝わり日米軍事基地群や軍需産業の実態を奥田和夫・日本共産党呉市議の案内で学んだ。なお21日、「埼玉AALA」会員7名と当ゼミナール会員3名は広島原爆資料館見学のオブショナルツアーで2泊した。

事前学習会(105日)では中国人毒ガス被害訴訟の南弁護士の講演とDVD『苦い涙の大地から』を鑑賞した。毒ガス製造とその後の海洋投棄を県民に隠蔽し、また敗戦後日本軍が中国に遺棄した毒ガスが今も中国人民を苦しめており、政府の責任の取り方が極めて不十分な実態を知った。フィールドワークの内容は8ページのコンパクトな冊子にまとめて全会員に配布する。

 

⑷ゼミナール

331日第29回ゼミナール(総会記念講演)のテーマは「歴史認識と加害責任~『慰安婦』問題に触れて」山田朗・明治大学教授が講演。侵略戦争反省の「宮沢談話」「河野談話」「村山談話」を排斥しこれらは21世紀にふさわしくないとする安倍政権がなお40%の支持を得ている問題点を指摘した。脱亜入欧路線を辿りアジアを格下とみる差別意識の克服が歴史認識問題の入り口、と結んだ。参加者は当ゼミナール最高の95名。

○第30回ゼミナール(728日)はテーマ:「RAA(特殊慰安施設協会)と米進駐軍の

ための『慰安所』」で平井和子・桜美林大学非常勤講師が講演。敗戦直後に政府は米進駐軍

用『慰安所』を全国に作り米兵がその前に列をなした。日本国憲法24条に両性の本質的平

等を書き込む一方で数万人の日本女性に性を提供させた米占領政策をジェンダーの視点で

分析した。平井氏はこのテーマでの一般の講演は初めてとの事。画期的内容だった。夏休み

で参議院選の翌週だったにもかかわらず70名が参加。

 

⑸文京区男女平等センターまつり参加「ワーク・ショップ」第4回目(第38号ニュース中の今回3回目は間違い)

☆テーマ=日本軍による性暴力の実態と中国の『慰安婦』問題。講師:大森典子副代表。中国人「慰安婦」訴訟弁護団長として40回以上訪中し調査の結果で明らかになった貴重な事実を報告し、被害者のDVDを上映した。なお具島順子運営委員の中国・拉孟訪問の特別報告を行った。まとめは吉川春子代表。

☆当ゼミナールはこのワーク・ショップを重視し年3回開催ゼミナールの中の1回をこれに当ててきた。2019年度は直前になって「参加団体の増加」との理由でこれ迄の約半分の2時間に時間制限がされた。当ゼミナールの棚橋委員が欠席した実行委員会で決められたので「従来どおり」の時間枠を再度お願いしたが受け入れられなかった。その結果、企画内容を縮小して行った。

 

⑹ 「あいちトリエンナーレ2019」企画展中止問題

当ゼミナールは89日付で「あいちトリエンナーレ」企画展の「表現の不自由展その後」に対する河村名古屋市長など公権力の介入に厳重に抗議し、企画展の即時再開を求める」要請文を送った。企画展は市民の抗議で「あいちトリエンナーレ」閉会1週間前にかろうじて再開された。

政府は926日「あいちトリエンナーレ」の補助金7,800万円全額不交付の決定を行った。さらに政府は1030日付でオーストリアと日本の国交150年事業としてウイーンで始まった芸術祭の日本の表現の自由の限界をテーマにした「ジャパン・アンリミテッド」の展示の内容を審査し公認を取り消した。

11月11日付で当ゼミナールは「表現の自由への挑戦、『あいちトリエンナーレ』に対する補助金の不交付と芸術に対する不寛容な政府に抗議する」とのアピールを発表した。

 

2020年度のあゆみ(方針)>

<当ゼミナールが発足10年>

「『慰安婦』問題とジェンダー平等ゼミナール」が発足して20205月で満10年になる。経緯は2008年、「『慰安婦』問題と女性の人権を考える会」(吉川春子ら7人)は定期的に集まって「慰安婦」問題を勉強し、200911月にはブックレット『「慰安婦」問題と女性の人権』(かもがわ出版)を出版し4000部普及した。これが「『慰安婦』問題とジェンダー平等ゼミナール」に発展したものである。

私達は、1991年に韓国人「慰安婦」金学順が名乗り出て20年後のスタートなのでかなり後発の団体である。すでに多くのNGOが結成されて活動が活発化していた。結果、政府は「河野官房長談話」を出し、それを受けて「アジア女性基金」を創設した。国会に野党三党の「戦時性的強制被害者(=慰安婦)問題解決促進法案」が8回提案された(2001年~20008年)。

国際的には国連の諸機関とILO(国際労働機関)が日本に勧告を行いまた、米国下院、EU,オランダ、カナダ等諸外国の議会も日本への批判決議を採択していた(2007年)。

韓国の性暴力被害者が困難を押して名乗り出て日本の責任を追及して長い歳月を経て未だ日本の国政上大きな未解決課題である。民主的な人々の間にも「慰安婦」問題は十分認識されておらず「慰安婦問題って何?」という疑問が度々寄せられた。

こうした中、『慰安婦』問題解決とジェンダー平等をめざして当ゼミナールは誕生した。この間、戦争責任、歴史認識、女性の人権等に関する各分野の専門家を講師に招きゼミナールを30回開催し勉強を重ねた。フィールドワークは9回(海外は2回、国内は7回)行った。当ゼミナールの活動を会員に知らせ各地の会員を結び、当ゼミナールの見解表明の場である「『慰安婦』問題とジェンダー平等ゼミナールニュース」は20107月以降38号まで発行した。韓国人『慰安婦』のDVD2本作製した。会員が「慰安婦」等女性の人権問題や「徴用工問題」に関する講演を各地で行ってきた。

当ゼミナールの活動の特徴の一つは日本人「慰安婦」に関する取り組みである。ビルマ従軍軍医・笠置慧眼氏により提供された日本人「慰安婦」名簿にもとづき9人の本籍地調査を行った。

以上の当ゼミナールの歩みを綴った『10年史』を編集中である。当ゼミナールがどんな役割を果たし行動したかを振り返り、今後どんな課題に取り組むべきか考える材料としたい。

 

<具体的方針>

○会員~当初数十人でスタートし現在が20201月現在5百50名を超え、この数字は数年維持している。年会費2千円と篤志家のカンパで財政規模は年間2百数十万円で健全に推移している。当ゼミナール活動の土台となる会員の拡大が課題である。(詳細は第8回総会で口頭報告)

 ○「慰安婦」問題とジェンダー平等ゼミナールの『10年史』誌の作成

7月にブックレット(80頁)を発行する。1千部を印刷し会員に配布する。一般販売価格は500円。

〇地方講演会について

埼玉県飯能市、山口県で計画が検討されている。また、人数ありきでなく小さい集会でも各地域で気軽に行う事が必要との意見もある

○ゼミナールと他団体との共催

8回総会の記念講演(第29回ゼミナール・講師検討中)は歴史認識に関するテーマで行う。また第30回ゼミナール(712日)は映画『主戦場』の上映と映画の内容が分かる講演を組み合わせて実施する(東京AALAとの共催を検討する)

○ワーク・ショップ

2020年度も文京区男女共同センター祭りに参加する。2時間枠の制約の可能性大である。会場が狭く(満員で30名超)、通常のゼミナールのように外部の講師による講演会は難しいので過去4回は当会の会員の講師でフィールドワークや調査活動で得たことを取り上げてきた。文京区という公の企画に参加し地域の活動の中に当会が位置づくことは意義は大きい。

  • 他団体に委員派遣し活動に参加

 従来から母親大会実行委員会(棚橋)、文京区男女平等センター(棚橋)に委員を派遣していたが2019年から「国際婦人年連絡会」への加盟が認められた。其々の活動の様子を常任運営委員会に定期的に報告を受け役割を果たす。

「国際婦人年連絡会」は1995年第4回世界女性会議を受けて結成された日本の女性団体として最大のもの。当ゼミナールも他の女性組織と共にジェンダー平等社会を目指す運動に参画する意義は大きい。

○役員体制と会議の運営について―ニュース発送作業等、ゼミナールへのおさそい、諸行事成功の日常業務をこなす人手が不足している。また会の継続・発展のためにも新しい活動家の獲得は当ゼミナールの重要課題である。なお、常任運営委員会準備の事務局会議を廃止する。

                                =以上=