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2020年8月 6日 (木)

『「慰安婦」問題とジェンダー平等ゼミナール 10年の歩み 2010-2020』発刊

10

『冊子』表紙・3.8女性デーのミモザの花を使用した

 

 このほど私たちは「慰安婦」問題解決に取り組んだ10年間の歴史をまとめ『「慰安婦」問題とジェンダー平等ゼミナール「10年の歩み」』(=『冊子』)として発刊した。この会は2010年5月にスタートし、年4回発行する新聞に会の活動を掲載し会員に知らせてきた。この『冊子』はこれを編集して80ページ、B5判にまとめた記録集である。

 

<当ゼミナール発足の経過>

 私は参議院議員を2007年7月に辞任し、都内の学校の教師を定年退職した女性たちと「慰安婦」問題の勉強会を持った。その成果を『「慰安婦」問題と女性の人権 未来を見すえて』(かもがわブックレット174 2009年11月1日)として発行した。ブックレットは7人のグループがわずかの期間で4000冊も普及した。私は先生たちのエネルギーにびっくりした。私たちの活動は待たれていたという確信を持つことができた。

 この会はブックレットの発刊で区切りをつけるはずだったが、このまま終わらせることに反対したメンバーの一人・吉村妗子さんの意見もあり、『「慰安婦」問題とジェンダー平等ゼミナールとして新しい組織を立ち上げた。新たな会のスタートは2010年5月である。

 

<今の思い>

 件の「かもがわブックレット」の表紙には韓国人「慰安婦」の描いた絵を、ナヌムの家のご厚意で使用させてもらった(末尾の写真参照)。この絵は当時行った各地の講演のパワーポイントの表紙でも使用した。私の心が韓国人「慰安婦」問題をいかに解決するか、の思いで占められていてその延長線上で新しい会の活動を始めた。

 

 10年間の会の活動で私は多くを学んだ。結果、「慰安婦」問題の位置づけが変わった。今は、日本社会をジェンダー平等にするために『慰安婦』と女性の人権についての取り組みの強化の必要性を痛感する。具体的には日本人「慰安婦」問題と、性暴力被害者への差別、軽蔑を日本社会から取り除く事(運動)が緊急の課題と考えている。

 

 この度『10年の歩み』を読まれた女性運動のリーダーから「フラーワーデモの原点は『慰安婦』問題であると考える」との感想を寄せられたが、まさにその通りである。性暴力の被害者が差別され、軽蔑されて社会の片隅でひっそりと暮らさなければいけない日本社会に決別しなければならない。ジェンダー平等の日本社会を目指すことが運動の中心課題になる必要があるのではないか。

 もう一つ、女性の人権蹂躙との闘いは「慰安婦」問題を通じて韓国の女性たちから学んだものである。私は日本女性の人権問題の取り組みの必要に気付かされた。挺対協の運動からも多くを学んだ。現在日韓関係は最悪となり改善の兆しは見えない。韓国人『慰安婦』問題解決のために注いだ私たちのエネルギーは韓国の人々の心に届いたのか。届かなかったのか。

 10年は長く、短い期間である。韓国の「慰安婦」は高齢化で多くは姿を消し、日本人「慰安婦」は初めから私の前に姿を現さなかった。今後どんな運動を構築すべきか。一緒に考え行動していただければ幸いである。(吉川春子)

 

   ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 『「慰安婦」問題とジェンダー平等ゼミナール「10年の歩み」』 目 次 

 

発刊にあたって ……………………………………………………………常任運営委員会

 

第1章 「慰安婦」問題とジェンダー平等をめぐる情勢の特徴  

 

Ⅰ 「慰安婦」問題とジェンダー平等をめぐるこの間のうごき ……吉川春子・代 表

Ⅱ 「慰安婦」問題・徴用工問題と日本の戦争責任 …………………大森典子・副代表

 

第2章 「慰安婦」問題とジェンダー平等ゼミナールの

発足までの経過と10年間の主なとりくみ

 

Ⅰ 発足にいたる経過 ……………………………………………………

 

Ⅱ 発足後10年間の組織運営と主な活動の概略 ………………………

 

Ⅲ 「慰安婦」問題とジェンダー平等ゼミナールの開催 ……………

1.ゼミナールの開催一覧 …

2.ゼミナールの講師からの寄稿 …

(1)日本人「慰安婦」問題とNGOの課題       藤目 ゆ き・大阪大学大学院教授

(2)南京事件と日本の中国への戦争責任        笠原 十九司・都留文科大学名誉教授

3.多くの講演を通して学んだこと、明らかになったこと …

(1)「慰安婦」問題とは何か

(2)戦争と加害責任、日本と世界の歴史認識

(3)RAAと米軍のための慰安所-戦後も続く国家による性暴力

(4)「慰安婦」問題など教育への政治介入・教科書問題・マスコミ攻撃

(5)ジェンダー平等をめざして-女性への暴力・DV・セクハラ等の本質 

(6)憲法24条改悪・家庭への政治介入

 

Ⅳ フィールドワークの実施 ………………………………………

 

Ⅴ ニュースの発行 …………………………………………………

 

Ⅵ 日本人「慰安婦」問題部会の調査 …………………………… 藤園淑子・元運営委員

 

Ⅶ 他団体と共催のとりくみ ………………………………………

 

Ⅷ 地方における会員の活動 ………………………………………

愛知県―水野磯子・青森県ー五十嵐𠮷美・群馬県―吉村妗子 

福岡県ー具島順子 山口県-増冨昭子

 

第3章 「慰安婦」問題の解決とジェンダー平等の実現にむけて

 

10年のとりくみをふまえて今後の課題 ………………………

 

資料

    

役員名簿 ………………………………………………………………

年表 ……………………………………………………………………

ジェンダーギャップ指数の推移 ……………………………………

                                            

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ Photo_20200806140001

           かつて「『慰安婦』問題と女性の人権」がの発行したブックレットの表紙(2009.11.1 かもがわブックレット174)

 

10年の歩み ②010-2020』(このブログ記事の冒頭に表紙写真を掲載)

『冊子』のご注文は下記にお寄せください

A5判 80ページ 頒価 500円(消費税込)

送料・払い込み手数料は実費負担でお願いいたします(4冊まで116円・他)

 

「慰安婦」問題とジェンダー平等ゼミナール

113-0021 東京都文京区本駒込6-14-8-602 吉川気付

  FAX03-5976-5188

 

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コメント

前略 吉川春子様
突然のご連絡で、しかもブログのページからで、大変申し訳ありません。
横浜市磯子区の渡辺隆男と申します。磯子区革新懇談会の事務局を担当しています。
当会では、毎年5月に学習会を開催しています。昨日の事務局会議で、今年の学習会のテーマについて討議しました。参加者の一人から、『日本人「慰安婦」を忘れない、という書籍を読んだ。著者の吉川春子さんを招きして、お話を聞きたい』との意見がありました。以前、別の集まりで吉川さんの講演を聴いた者もおりました。先日の同性婚裁判で、同性婚を認めない現民法を<違憲状態>という判決も出た事も話題になり、「是非吉川さんをお招きしてお話を伺いたい」、という結論で一致しました。
概要は以下の通りです。
 日時 2024年5月11日(土) 13:30 より
 会場 磯子区社会教育コーナー会議室(JR根岸線より徒歩5分)
 テーマ ジェンダー問題(日本人「慰安婦」を忘れないの内容を含む)、DV、同性婚、選択的夫婦別姓、等
 (「ジェンダー問題」では広すぎると思いますので、詳しい内容はおまかせします)
 時間 質疑を含めて90分(講演75分程度、質疑15分)程度を予定しています
 謝礼 交通費を含め2万円程度をご用意します(少なくて申し訳ありません)

突然の失礼なお願いで大変申し訳ありませんが、何卒ご検討いただきますよう、お願い致します。
草々

渡辺隆男 横浜市磯子区杉田7-1-6-45
080-5063-5307  tomten@wa2.so-net.ne.jp
投稿: at 2024-03-19 23:07:09

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