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2020年3月

2020年3月23日 (月)

第8回総会と記念講演の延期のお知らせ

 

日頃、一方ならぬご協力を賜り心よりお礼を申し上げます。

 このたび45日(日)に予定しておりました第8回総会と能川元一氏の記念講演は諸般の事情を考慮し、以下の日程に延期することになりましたのでお知らせします。

          記

 開催日時:2020年7月12日(日)午後1時~

 会 場:未定(追ってお知らせします)

 講 師:能川元一大阪国際大学非常勤講師

 テーマ:浸透する歴史修正主義

「慰安婦」問題とジェンダー平等ゼミナール代表・吉川春子

〒 113:0021 東京都文京区本駒込6-14-8-605

☎ 03-5976-5188 090 6505-3500

メール:haruko1945@nifty.com   

 

Photo_20200323090601

六義園の枝垂桜2019年3月撮影、今年2020年は新型コロナウイルスの肺炎流行のためライトアップ中止。しかし、昼間はかなりりぎわっている。

2020年3月16日 (月)

性暴力のない社会を目指して

     ハリウッド女優のレイプ犯に懲役23年禁固刑

                ~#MeToo(ミーツー)が世界に拡散~

 

   世界中を楽しませているハリウッド映画。ここも男性支配の殿堂だったのだ。華やかなスターの座を獲得するために多くの女性が大物プロデューサーの性暴力に泣いていた事実は私達を驚かせた。彼女たちがようやく声を上げ告発した。物証が乏しい中、弁護団も「同意があった」等と主張し有罪になるか否か予断が許されなかった。

   しかし陪審員は有罪の評決を下し、2020年3月12日、ニューヨークの裁判所はハリウッドの元大物プロデュ―サー、ハーベイワインスタイン被告(67才)に女性へのレイプ等の罪で禁固23年を言い渡した。彼に対し90人以上が被害を訴えており、これをきっかけに「#MeToo」(ハッシュタグ・ミーツー)の運動は世界に拡散した。

   日本でも伊藤詩織さんに対する元TBS記者の準強姦行為に検察が不起訴の中、果敢に戦い、昨年12月に民事裁判で勝訴している。また、父親の性暴力に対し娘達も立ち上がっている。しかし岡崎の事例では1審無罪。裁判官は女性の味方ではないとつくずく思う。この事件を契機にフラワーデモが各地に広がり、性暴力の被害者が名乗りを上げ始めている

Photo_20200316202201

写真・東京はソメイヨシノの開花宣言がされた(2020年3月14日)が、六義園名物の枝垂桜は未だ2分咲き(3月15日撮影)

    

   実の父親の娘に対する常習的レイプ

 

性暴力の中でも被害者が声をあげる事がさらに困難な事例は父親によるわが娘への性暴力ではないか。

2020年3月12日、名古屋高裁で実の娘に対する準強制性交罪に問われた被告の父親(50才)に対して控訴審判決で懲役10年の逆転有罪判決が言い渡された。被害者は中学2年生の頃から父親である被告人から性的虐待を繰り返し受けた。

控訴審では「準強制性交罪の要件として「抗拒不能」は…「相手方に於いて物理的又は心理的に抵抗することが著しく困難な状態であれば足りると解すべきだ」とする。当然の論であろう。 ところが1審では「逆らうことが全くできないような強い支配服従関係」といった厳しい成立範囲を要求している」と批判する。また、性的虐待が行われている一方で普通の日常生活が展開されているという事は虐待のある家庭では普通の事であるとされる」とする

 これに対して1審判決の父親無罪の根拠は「被害者(娘)は日常生活の中で被告人(父親)の言いなりに必ずしもなっていなかった」と言う点である。「日常生活では被害者は被告人の意にそわない行動をとっている」ことが「抗拒不能状態を否定する事情だ」とし「娘は逆らうことが全くできないような強い支配服従関係にはなかった」と結論付ける。

また、「被害者が弟らの協力を得て被告人からの性交の求めを断念させたことがある」事も抗拒不能でない理由とした。加害者(父親)に無罪判決を下した一審の名古屋地裁岡崎支部の裁判官の感覚に驚く。

 これは岡崎支部の裁判官に限らない裁判所一般の感覚である。強姦罪が親告罪であった一昨年までは被害者が意を決して被害届を出しても裁判官が加害者の男性を無罪にしてしまう判決は枚挙にいとまがない。男性側の主張を取り入れて、性交に合意があったと認定してしまうのだ。長年の父親による虐待が抵抗する気力を娘から奪ってしまう事を裁判官は見逃している。合意なき性交は強姦、との判決を下すために刑法改正が必要である。全国に展開するフラワーデモの参加者もそれを求めている。

 

 <判決後被害女性は次のようなコメントを出した>

 

「(父親に対する)逆転有罪の判決が出てやっと少しホッとできるような気持ちです」と被害女性は弁護士を通じてコメントを出した

〇「逃げようと思えば逃げられたんじゃないか」と言われるがそれができなかった理由は幼少期に暴力を振るわれたからです。一人っ子だったらもっと早く訴えられたかもしれない…でも弟たちの事が心配だった。弟たちと離れなくてはいけなくなること、生活が大変になるかもしれない事を考えてじっと我慢するしかできませんでした」

〇 次第に私の感情もなくなってまるで人形のようでした。被害を受けるたびに私は泣きました。

〇 父親に対しては「もう私と弟たちの前に二度と姿を現さないでほしい」

*父親は、2審の有罪判決を不服として上告した(2020年3月16日)。父親には娘に対する行為について恥じる気持ちや反省がないのだろうか。最高裁まで争って裁判官の封建的感覚に期待を寄せるのか。 

 

           ~栃木実父殺害事件 ~

 

 男性の女性に対する暴力支配は、エンゲルスの「家族私有財産国家の起源」によれば少なくとも数千年の歴史がある。日本国憲法下でも第2次世界大戦前の国家思想・家父長制の名残が民法に残っていて何度か改正を重ねたが、夫婦同姓の強制等の名残を払しょくできないでいる。 

今を去る50余年まえ、1968年栃木県矢板市で当時29歳の女性による実父絞殺事件が起きた。直接的には、殺害の日迄女性は父親によって10日間にわたり自宅に監禁状態にあり最終的には口論の末殺害したものである。

 しかし事件に至る14年間、女性には地獄のような生活があったのだ。宇都宮地方裁判所で明らかになった事実は驚くべきものである。被告人の女性は14才から父親によって性的虐待を受けており近親相姦を強いられた結果、父親との間に5人の子供を出産し夫婦同様の生活を強いられてきた。

 そうした中、女性が働きに出た職場で7歳下の相思相愛の恋人が現れ正常な結婚をする機会が巡ってきた。その男性と結婚したい旨を父親に打ち明けたところ激怒し監禁したものである。当時の『下野新聞』等の報道機関は「親子喧嘩の果ての殺人」と報じて、父親が娘を長期にわたって強姦していた事実を報道しなかった。「女性への暴力撤廃」という女性の人権思想に乏しい、世相におけるメディアの報道姿勢だった。

 

     日本国憲法下でも家父長制思想残る、尊属殺人罪

 

 この事件は最終的に最高裁大法廷で裁かれた。当時刑法には尊属殺(刑法2百条)があった。直系尊属(父母、祖父母等)を殺した場合、通常の殺人罪(刑法199条、死刑、無期、5年以上の懲役)より重く、死刑と無期懲役のみだった。法律に沿って2度の情状酌量をしても刑の執行猶予は付けられない実刑判決になる。

 長幼の序(ちょうようのじょ)を重んじる家父長制はかくも厳しい事を女性に要求する制度である。しかし実父から14年にわたり夫婦同様の生活を強いられ5人の子どもを産まされた地獄のような生活から抜けるチャンスが巡ってきたのに、これを父親から潰される…この同情すべき事例に実刑を以て処断する事は最高裁と言えども躊躇を感じる事件であった。

 一審宇都宮地方裁判所は刑法200条を違憲とし、情状を考慮し過剰防衛として刑を免除、2審東京高裁は同条を合憲とし懲役3年6月の実刑を言い渡した。これを受けて、最高裁は従来の判例を変更して刑法200条を違憲と判断したうえで、刑法199条を適用して懲役2年6月、執行猶予3年を言い渡した。

 

         裁判官の意識にも家父長的思想

 

 「栃木実父殺し事件の判決」は「尊属殺重罰規定違憲判決」と呼ばれているが尊属殺の思想を違憲としたものではない。つまり最高裁は通常の殺人よりも目上の親族殺害を重く罰すること自体を肯定しつつ、違憲としていない。情状酌量しても執行猶予が付けられないのは余りに刑のバランスを欠くという刑事政策上のものである。曰く

  「尊属殺人を定めた刑法第200条は尊属殺の法定刑を死刑または無期懲役刑のみに限っている点において、その立法目的達成のため必要な限度をはるかに超え、普段殺に関する刑法199条の法定刑に比し著しく不合理な取り扱いをするものと認められ憲法第14条1項に違反して無効である。*憲法14条1項 全て国民は法の下に平等であって…社会的身分又は門地により…社会的関係に於いて差別されない。

 

 細やかに歴史的1歩を踏み出したがこの時代の最高裁判事には女性への人権感覚は乏しい。尊属殺人罪の規定(刑法2百条)が廃止され刑法より削除されたのは1995(平成7)年である。刑法が歴史的仮名使いから現代的仮名使いに変更される刑法改正の時に同条は削除された。日本国憲法の価値観と相いれない尊属殺規定が戦後50年にわたって存在し続けた事実は日本の後進性を示すほか何物でもない。

 また父親の娘強姦事件を加害者無罪にした岡崎支部判決は戸主が一族の女性の生殺与奪の権を握る家父長思想の片りんを残している。

 #MeTooの流れ、フラワーデモがこの古い上着を脱がせるきっかけになるか注目したい。

 

 

 

2020年3月11日 (水)

会員の皆様へ、緊急のお知らせ

 

ご  連  絡     

                                                                                                2020年3月10日

                                                                        「慰安婦」問題とジェンダー平等ゼミナール代表 吉川春子

会員のみなさま、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

ニュース第39号をお届けします。この号は総会議案を掲載してあります。ご意見等をお寄せください。

 

3月は日本にとって一番輝く季節、であるはずですが疫病の流行で陰鬱な空気が漂っています。加えて安倍総理の一声で小中高校の一斉休業が「疫学的根拠も、科学的根拠もなく、政治判断で」(参議院予算委員会の総理答弁)、準備期間もなく行われた結果社会はパニック状態です。とりわけ子ども達、非正規労働者、フリーランスの方々、中小零細業者等の弱者に大きな負担が強いられて心が痛みます。この危機を国民の知恵と勇気で乗り切らねばなりませんね。

 

当ゼミナールは4月5日(日)に東京で第8回総会と記念講演を予定しています。この計画をどうするかについて各方面からお問い合わせをいただいていますが今のところ決めかねています。

政府の方針でも4月6日(月)からは春休みが終わり、小中高校は一斉に授業が再開される予定です。

3月16日(月)に常任運営委員会がもたれますのでここで情勢判断をして決めたいと思います。

万が一中止の場合には首都圏の皆様には直ちに連絡します。

 

皆さまには健康に留意されてご健勝にてお過ごしください。社会的危機ともいうべき今日の事態を積極的に乗り越えて、平和で民主的なジェンダー平等社会へ確かな歩みで前進しようではありませんか。今後とも当ゼミナールへのご支援を心からお願いします。

                                                                                                                                                  ― 了 ―

                             

第8回総会議案

「慰安婦」問題とジェンダー平等ゼミナール第8回総会議案を掲載します。会員の皆様には2020年3月10日発行のニュース第39号に掲載し、3月10日発送しました。

 

*略称 「『慰安婦』問題とジェンダー平等ゼミナール」⇒「当ゼミナール」

2019年度の情勢

「慰安婦」、植民地支配、戦争加害責任の暦代政府のささやかな「反省」すら踏みにじってきた安倍政権は“モリカケ問題”に続き総理の桜を見る会の「公的行事」の私物化、首相後援会前夜祭の政治資金規正法違反疑惑、招待者名簿廃棄等で国会答弁不能に陥り「政権の命、旦夕に迫る」状況である。

「慰安婦」「徴用工」日韓関係-文在寅大統領は2018年11月日韓合意(2015年12月)で設立した「和解・癒し財団」解散した。拠出金10億円は元「慰安婦」47人中34人、遺族199人中58人が受け取り、元「慰安婦」2人と遺族13人が審査待ち(朝日2019.1.28)で宙に浮き、これに対し日本は強く反発し日韓関係は最悪になった。

また2018年10月、韓国の大法院で過酷な労働現場で労働させられた元徴用工の損害賠償訴訟の判決が出された。安倍政権は、「解決済み」を声高に述べ韓国側で解決するように要求し続けているが、あの戦争中の日本政府の政策として行い隣国の市民に多大の損害を与えた事件として日本国と加害企業とで解決すべき事件である。いたずらに 感情的な対立があおられている状況のもとで、日本の市民として植民地支配の歴史をきちんと共有し、日本の市民の側から政府と企業の態度を変えていく努力が求められている。

表現の自由の危機―8月1日開幕の「あいちトリエンナーレ」企画展の韓国人「慰安婦」を彷彿させる「少女像」展示等に不当な脅迫が殺到し名古屋市長や右翼も同調し3日で中止、また文科省の補助金不交付の決定は憲法の禁じる「検閲」の疑いがある。「慰安婦」をテーマにした映画『主戦場』自主上映への妨害・自粛も起きた。しかし市民の運動で上記企画展は大会最終日1週間前に再開、『主戦場』も春日部市等各地で上映を勝ち取っている。

女性の人権―性暴力被害者の名乗り出の運動・アメリカ発#MeToo(ミーツー)の広がりー2019年12月東京地裁は伊藤詩織さんの訴えを認め山口・元TBS記者の準強姦行為に対し330万円の損害賠償を言い渡した。これに力を得た性暴力被害者の各地で性暴力に抗議する「フラワーデモ」はさらに広がって刑法の強制性交等罪(強姦罪)の構成要件の改正等を訴えている。

2018年に女性議員を増やすため『政治分野の男女共同参画法』が施行され2019年初めての一斉地方選挙では各級地方議員の女性の当選者は各1%程度の微増にとどまり見るべき成果はなかった。6月の参議院通常選挙は女性議員の当選者数は28名(22.5%)で3年前と同じに留まった。世界経済フォーラムの2019年のジェンダーギャップ指数が153か国中121位の日本で、当ゼミナールの更なる奮闘が求められる。

 

Ⅰ 2019年度の当ゼミナールの活動

  • ゼミナールの地方開催

「ゼミナールの開催を各地で」の方針により青森県ではゼミナールと共催の「出前講演会」を開催できた。915日青森市は青森県母親実行委員会、大森典子副代表が「戦争と人権」、23日弘前市で憲法9条つがる女性の会で吉川代表が「『慰安婦』問題から考える女性の人権」、で講演。参加者は2会場で212名。八戸、むつ市、五所川原市、平川市、黒石市など遠くからの参加、さらに現職の地方議員の参加もあった。

開催できた要因と成果~

⒈東京からの講師の交通費や謝礼などの経費をゼミナール側が負担、会場を公共施設で安く借りられた

⒉ニュースを読むだけの会員にとって、ゼミナールの代表、副代表がやってきて学べるいい機会だと受け止められたこと。

⒊参加者にとってよくわからなかった「慰安婦」問題――もう終わった問題、または日本の過去の歴史問題だと考えられてもいた。講演を通して、「慰安婦」問題は日本社会に通底する根深い女性差別問題であり、現代に通じるジェンダー問題だと理解されたことは大きな成果である。

今後、各地での「出前講演会」開催は、被害者が生存している間に解決ができなくても、私たち日本人がきちんと「戦後責任」を果たす重要な歴史的取り組みであり、全国に組織する会員を活かす活動となる。

また、7月27日、大田区新婦人のキャッロト班との共催による具島順子運営委員の講演会には72名参加、9月23日、婦選会館での東京AALAとの共催で行った大森典子副代表の講演会には参加者は44名だった。

 

  • 「連帯のつどい㏌春日部」(映画『主戦場』上映会)

11月2日、当ゼミナールと「埼玉アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会」(埼玉AALA)との共催で「2019連帯のつどい㏌県春日部 映画とお話」を実施した(前年度の加須市「連帯のつどい」に続き2度目)。映画は『主戦場』(デザキ監督)、講演は関原正裕・日朝協会埼玉県連合会会長。会場の埼玉県春日部市文化会館小ホールは満席(400席)となり、「慰安婦」問題を市民に広く知らせることができた。これは1990年代から『慰安婦』問題解決について政府へ請願を出し続けている埼玉AALAが組織を挙げて取り組んだ結果でもある。(なお春日部市は吉川代表の国会議員以前の活動地域)。

あいちトリエンナーレ中止、政府の補助金不交付等表現の自由が脅かされる情勢や、『主戦場』の一部出演者の提訴で上映自粛の動きが広がる中で成功した意味は大きい。

当ゼミナールは5回の実行委員会にメンバーを送り大量のビラの宣伝を行った。他方チケット販売数は全体の1割強に止まり、開催地が首都圏にもかかわらず当日参加の役員は数名に留まる等反省点がある。2020年度も『主戦場』の上映を予定しているので教訓としたい。

 

  • フィールドワーク

11月19日~20日、今年のテーマは「毒ガス、風船爆弾製造の大久野島と軍港呉の旅」。現地では学徒動員で風船爆弾製造、毒ガス運搬に携わり現在も語り部として国際的に活動を展開する岡田黎子さんの1時間超の講演を聞き、『大久野島平和学習ガイドブック』の著者で大久野島戦争遺跡の研究者山内正之さんの案内で大久野島をめぐった。

平和のメッセージを世界に発信するヒロシマから20キロの呉市ではかつての軍港復活が生々しく伝わり日米軍事基地群や軍需産業の実態を奥田和夫・日本共産党呉市議の案内で学んだ。なお21日、「埼玉AALA」会員7名と当ゼミナール会員3名は広島原爆資料館見学のオブショナルツアーで2泊した。

事前学習会(105日)では中国人毒ガス被害訴訟の南弁護士の講演とDVD『苦い涙の大地から』を鑑賞した。毒ガス製造とその後の海洋投棄を県民に隠蔽し、また敗戦後日本軍が中国に遺棄した毒ガスが今も中国人民を苦しめており、政府の責任の取り方が極めて不十分な実態を知った。フィールドワークの内容は8ページのコンパクトな冊子にまとめて全会員に配布する。

 

⑷ゼミナール

331日第29回ゼミナール(総会記念講演)のテーマは「歴史認識と加害責任~『慰安婦』問題に触れて」山田朗・明治大学教授が講演。侵略戦争反省の「宮沢談話」「河野談話」「村山談話」を排斥しこれらは21世紀にふさわしくないとする安倍政権がなお40%の支持を得ている問題点を指摘した。脱亜入欧路線を辿りアジアを格下とみる差別意識の克服が歴史認識問題の入り口、と結んだ。参加者は当ゼミナール最高の95名。

○第30回ゼミナール(728日)はテーマ:「RAA(特殊慰安施設協会)と米進駐軍の

ための『慰安所』」で平井和子・桜美林大学非常勤講師が講演。敗戦直後に政府は米進駐軍

用『慰安所』を全国に作り米兵がその前に列をなした。日本国憲法24条に両性の本質的平

等を書き込む一方で数万人の日本女性に性を提供させた米占領政策をジェンダーの視点で

分析した。平井氏はこのテーマでの一般の講演は初めてとの事。画期的内容だった。夏休み

で参議院選の翌週だったにもかかわらず70名が参加。

 

⑸文京区男女平等センターまつり参加「ワーク・ショップ」第4回目(第38号ニュース中の今回3回目は間違い)

☆テーマ=日本軍による性暴力の実態と中国の『慰安婦』問題。講師:大森典子副代表。中国人「慰安婦」訴訟弁護団長として40回以上訪中し調査の結果で明らかになった貴重な事実を報告し、被害者のDVDを上映した。なお具島順子運営委員の中国・拉孟訪問の特別報告を行った。まとめは吉川春子代表。

☆当ゼミナールはこのワーク・ショップを重視し年3回開催ゼミナールの中の1回をこれに当ててきた。2019年度は直前になって「参加団体の増加」との理由でこれ迄の約半分の2時間に時間制限がされた。当ゼミナールの棚橋委員が欠席した実行委員会で決められたので「従来どおり」の時間枠を再度お願いしたが受け入れられなかった。その結果、企画内容を縮小して行った。

 

⑹ 「あいちトリエンナーレ2019」企画展中止問題

当ゼミナールは89日付で「あいちトリエンナーレ」企画展の「表現の不自由展その後」に対する河村名古屋市長など公権力の介入に厳重に抗議し、企画展の即時再開を求める」要請文を送った。企画展は市民の抗議で「あいちトリエンナーレ」閉会1週間前にかろうじて再開された。

政府は926日「あいちトリエンナーレ」の補助金7,800万円全額不交付の決定を行った。さらに政府は1030日付でオーストリアと日本の国交150年事業としてウイーンで始まった芸術祭の日本の表現の自由の限界をテーマにした「ジャパン・アンリミテッド」の展示の内容を審査し公認を取り消した。

11月11日付で当ゼミナールは「表現の自由への挑戦、『あいちトリエンナーレ』に対する補助金の不交付と芸術に対する不寛容な政府に抗議する」とのアピールを発表した。

 

2020年度のあゆみ(方針)>

<当ゼミナールが発足10年>

「『慰安婦』問題とジェンダー平等ゼミナール」が発足して20205月で満10年になる。経緯は2008年、「『慰安婦』問題と女性の人権を考える会」(吉川春子ら7人)は定期的に集まって「慰安婦」問題を勉強し、200911月にはブックレット『「慰安婦」問題と女性の人権』(かもがわ出版)を出版し4000部普及した。これが「『慰安婦』問題とジェンダー平等ゼミナール」に発展したものである。

私達は、1991年に韓国人「慰安婦」金学順が名乗り出て20年後のスタートなのでかなり後発の団体である。すでに多くのNGOが結成されて活動が活発化していた。結果、政府は「河野官房長談話」を出し、それを受けて「アジア女性基金」を創設した。国会に野党三党の「戦時性的強制被害者(=慰安婦)問題解決促進法案」が8回提案された(2001年~20008年)。

国際的には国連の諸機関とILO(国際労働機関)が日本に勧告を行いまた、米国下院、EU,オランダ、カナダ等諸外国の議会も日本への批判決議を採択していた(2007年)。

韓国の性暴力被害者が困難を押して名乗り出て日本の責任を追及して長い歳月を経て未だ日本の国政上大きな未解決課題である。民主的な人々の間にも「慰安婦」問題は十分認識されておらず「慰安婦問題って何?」という疑問が度々寄せられた。

こうした中、『慰安婦』問題解決とジェンダー平等をめざして当ゼミナールは誕生した。この間、戦争責任、歴史認識、女性の人権等に関する各分野の専門家を講師に招きゼミナールを30回開催し勉強を重ねた。フィールドワークは9回(海外は2回、国内は7回)行った。当ゼミナールの活動を会員に知らせ各地の会員を結び、当ゼミナールの見解表明の場である「『慰安婦』問題とジェンダー平等ゼミナールニュース」は20107月以降38号まで発行した。韓国人『慰安婦』のDVD2本作製した。会員が「慰安婦」等女性の人権問題や「徴用工問題」に関する講演を各地で行ってきた。

当ゼミナールの活動の特徴の一つは日本人「慰安婦」に関する取り組みである。ビルマ従軍軍医・笠置慧眼氏により提供された日本人「慰安婦」名簿にもとづき9人の本籍地調査を行った。

以上の当ゼミナールの歩みを綴った『10年史』を編集中である。当ゼミナールがどんな役割を果たし行動したかを振り返り、今後どんな課題に取り組むべきか考える材料としたい。

 

<具体的方針>

○会員~当初数十人でスタートし現在が20201月現在5百50名を超え、この数字は数年維持している。年会費2千円と篤志家のカンパで財政規模は年間2百数十万円で健全に推移している。当ゼミナール活動の土台となる会員の拡大が課題である。(詳細は第8回総会で口頭報告)

 ○「慰安婦」問題とジェンダー平等ゼミナールの『10年史』誌の作成

7月にブックレット(80頁)を発行する。1千部を印刷し会員に配布する。一般販売価格は500円。

〇地方講演会について

埼玉県飯能市、山口県で計画が検討されている。また、人数ありきでなく小さい集会でも各地域で気軽に行う事が必要との意見もある

○ゼミナールと他団体との共催

8回総会の記念講演(第29回ゼミナール・講師検討中)は歴史認識に関するテーマで行う。また第30回ゼミナール(712日)は映画『主戦場』の上映と映画の内容が分かる講演を組み合わせて実施する(東京AALAとの共催を検討する)

○ワーク・ショップ

2020年度も文京区男女共同センター祭りに参加する。2時間枠の制約の可能性大である。会場が狭く(満員で30名超)、通常のゼミナールのように外部の講師による講演会は難しいので過去4回は当会の会員の講師でフィールドワークや調査活動で得たことを取り上げてきた。文京区という公の企画に参加し地域の活動の中に当会が位置づくことは意義は大きい。

  • 他団体に委員派遣し活動に参加

 従来から母親大会実行委員会(棚橋)、文京区男女平等センター(棚橋)に委員を派遣していたが2019年から「国際婦人年連絡会」への加盟が認められた。其々の活動の様子を常任運営委員会に定期的に報告を受け役割を果たす。

「国際婦人年連絡会」は1995年第4回世界女性会議を受けて結成された日本の女性団体として最大のもの。当ゼミナールも他の女性組織と共にジェンダー平等社会を目指す運動に参画する意義は大きい。

○役員体制と会議の運営について―ニュース発送作業等、ゼミナールへのおさそい、諸行事成功の日常業務をこなす人手が不足している。また会の継続・発展のためにも新しい活動家の獲得は当ゼミナールの重要課題である。なお、常任運営委員会準備の事務局会議を廃止する。

                                =以上=

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