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2019年1月

2019年1月24日 (木)

2018年度の第4回運営委員会(泊まり込み合宿)開く

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(写真・国立女性会館本館)

 男女共同参画推進の拠点、国立女性会館(ヌエック)に集う

 

2019119日(土)と20()に場所は埼玉県西部にある国立女性会館で私達の「『慰安婦』問題とジェンダー平等ゼミナール」の運営委員会を開き、2019年度の活動計画、行事日程等熱い議論を戦わせました。

 

  <雑木林の中の国立女性会館>

 

ここ国立女性会館NWECヌエック国立女性教育会館の英語表記「National Women's Education Center」の頭文字を取って「NWEC」です))は、男女共同参画を推進する唯一のナショナルセンターです。NWECは、女性教育の振興を図り、もって男女共同参画社会の形成の促進に資することを目的としています。昭和52年に文部省の附属機関として設置されて以来、男女共同参画の推進機関としての役割を果たしてきました。

 

現在、国立女性会館の建物は雑木林に囲まれた広い敷地にあり、90年代の女性運動の高揚期に建設されました。一時期政府は行革の対象にして廃止を打ち出しましたが、女性の各界リーダーが必死で存続のための運動を行い、廃止を免れ今は民間の会社に運営を委託しています。ジェンダー平等推進のためのいろんな行事に使われています。

 

泊り込み合宿は今年で3回目です。当ゼミナールは常任運営委員会が中心に活動し、運営委員会は年4回開きます。ゼミナールに合わせて午前中の23時間という短時間で報告し、議論するので年に一度は時間をかけて様々なテーマを議論することにしています。

 

出席は青森、群馬、首都圏、名古屋、山口、福岡等広い範囲から15名、運営委員の約7割が参加しました。欠席者は一斉地方選挙の事前行事、或は怪我、インフルエンザ等様々です。

 

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(写真・合宿風景)



<初めての試み、ミニ講演>

 

その1 韓国大法院判決と、日韓戦後補償問題 大森典子・副代表

アジア太平洋戦争処理に当たりサンフランシスコ条約、日韓条約で請求権は放棄されている。しかし日本政府は、これは外交保護権のみの放棄で個人請求権は消滅しないという立場をとって来た。日本の最高裁も企業が任意に支払うことは違法でないとの立場である。

徴用工判決に対する日本政府の態度は個別企業が判決によって支払うことを抑えておりこれは日韓の感情的対立をあおるものである。解決の方向としては何よりも日本政府が強制連行・強制労働の事実を認め謝罪する立場に立つことが必要である

 

そのⅡ 日本人「慰安婦」問題に取り組む理由 吉川春子・代表

 「慰安婦」の運動は日本女性の解放に繋がらなかった?との指摘がある。韓国人「慰安婦」より20年前に既に日本人「慰安婦」城田すず子は名乗り出ていた。しかし今日まで日本政府の責任追及の運動に繋がっていないのは、日本の戦争責任と歴史認識の問題とのみ捉え女性の人権侵害の追及が弱かったのではないか。日本人「慰安婦」は殆どが遊郭の娼妓・芸妓である。戦前の日本が家父長制の下少女が売買され遊郭が列島にくまなく存在する「とんでもない人権侵害の横行する階級抑圧社会」(藤目ゆき先生)だった点に運動の視点を向けるべきである

 


  <2019年度の計画について>

 

〇会費会員

年会費2000円で運営されているので会員数と会費納入が重要事項である。会員約550名で新規加入者の拡大と会費をきちんと納入してもらうための取り組みについて提案と議論を行った。

〇活動方針

「慰安婦」被害者が自然年齢の限界に達し姿を消し証言は困難に。かつ、日本の世論は「慰安婦」問題は終わったと認識している。当ゼミナールの運動をどう続けてゆくかについて大森副代表のたたき台に基づき伯仲した議論を行った。331日の総会に提案される。

お、これまでの運動と今後の方針について詳しい冊子を作成し会員の皆様に検討していただくため、4人のチームをつくった(吉川、大森、原、棚橋)。

〇総会

日時:331日(日)午後330分~5

場所:東京文京区民センター3A会議室

に先立つ講演は、山田明治大学教授に日本の加害責任と「慰安婦」問題(仮題)を予定している。

〇フィールドワーク候補地、

 明治大学登戸研究所(川崎市)

 中帰連平和記念館(埼玉県川越市)

 大久野島(瀬戸内海)と呉の戦艦大和資料館(広島)、

海外

 インドネシア

 

来年もまた1月国立女性会館で泊り込み合宿を行う事を決めて散会した

2019年1月 4日 (金)

2019年の念頭御あいさつ                吉川春子

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写真・六義園の門松 2019年1月3日撮影

あけましておめでとうございます。皆様にはどのような新年をお迎えになりましたでしょうか。

 


     政治決戦の時


今年は一斉地方選挙と参議院通常選挙があります。政治変革の年です。女性の政治参加を進めて国際的に女性国会議員が最低との汚名を返上する機会にしましょう。それが民主主義の一歩です。

安倍総理は衆参同時選挙に打って出るかもしれない、との憶測が飛び交っていますが、行えばこれこそ二院制の否定です。通常国会、臨時国会を通じて昨年は二院制を無にするような自民党の国会運営が目にあまりました。自らを「立法府の長」だと度々口走った!安倍総理(基礎学力の不足かも…)ですから、可能性は否定できないでしょう。だとすれば、自分の野望を遂げるためにはすべてをその手段にしてしまうというとんでもない人物に、選挙を通じてお引き取りを願うチャンスに変えましょう。


加えて象徴天皇が退位されるという日本国憲法制定当初は予想だにされなかった事態が起きます。激動が予想される2019年が国民にとって“吉”と出るか“凶”と出るか予測はつきませんが、成り行き任せではなく私たち自身の手で好ましい結果を勝ち取らねばならない事は当然です。お互い心して臨みたいものですね。



 

     私たちの活動の成果と課題


私達の「慰安婦」問題とジェンダー平等ゼミナールは、今年の5月で会を立ち上げて10年目という記念すべき年です。『慰安婦』問題の取り組みを行っている団体は1990年代に多く設立されました。私達の会はほぼ20年遅れで立ち上げたのは、私吉川が参議院議員を引退後という事情がありました。


しかし、にもかかわらす、私達は「慰安婦」問題の解決とジェンダー平等社会実現という会の目的にそっていろいろな取り組みを熱心に行いました。講演会は23回開き34人の講師が講演しました。パネルディスカッション&シンポジュームが4回、ワークショップを2回行いました。またフィールドワークは8回でこの中2回は海外に行きました。振り返ってよくぞここまで活動ができたという感慨を持ちます。


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写真・上海師範大学構内の少女像前で~2017年当ゼミナールフィールドワーク


     新しい会員を増やすお願い


現在約560名の会員の皆様によってこの会が支えられています。赤字も出さず健全財政です。会員の皆様には心より感謝申し上げます。この会は年会費2000円とカンパで賄われています。

一方で、高齢による脱会などやむを得ない事情による会員の減少が年数十人は発生します。新しい入会者なしには会の発展・継続はおぼつきません。

このブログをお読みくださる皆様、ぜひ会員になって下さいますようにお願い致します。


  

結成当初私は各地の講演で「慰安婦」問題ってなに?というテーマで講演し、これに関する質問を多く受けましたが最近は少なくなりました。この間の取り組みの結果、「慰安婦」問題の本質については国民の皆さんの間で深めることができたと思います。一方、マスコミの世論調査で国民の多くは「『慰安婦問題』は解決済み」として関心度は低くなっています。日本政府の対応と運動が少なくなっていることが原因です。しかしこの問題は解決されたのでしょうか。断じてそうではありません。


    「慰安婦」問題は解決済み、ではない

 

韓国の「慰安婦」が納得していないだけでなく、肝心な日本人「慰安婦」がほとんど名乗り出ていません。彼女たちは性奴隷とされ尊厳を踏みにじられても謝罪、補償はおろかその存在すら知られることなく歴史から姿を消されようとされています。政府も国会も戦時中の女性への暴力について反省が決定的に足りません。私たち日本国民(女性)がそこまで彼らを追い込んでいないという面もあります。

 

日本国民の意識を変えずしてこの問題の解決はありません。そのために今後どのような活動を行うべきか、日本のNGO に課せられた仕事です。



   金学順さんのカミングアウトを日本女性の人権と結び付けて

 

昨年ノーベル平和賞が「イスラム国」の性奴隷とされた女性が自らの体験の語り部となって世界で活動している事に与えられたことは素晴らしい出来事でした。すでに、1991年に金学順がカミングアウトして自らの性奴隷としての体験を語りその結果「慰安婦」の運動が国際的に高まりました。翻ってこれらは日本女性の人権の向上とどう結びついたのか。日本でも性暴力にあって泣き寝入りしている多くの女性がいます。それなのになぜ日本では#Me Too(私も被害者)運動が広がらないのでしょうか。この問題の解決こそが日本人である私達の課題です。

 

課題が大きければ大きい程やりがいがありますしエネルギーが出ます。これまで築いてきた当ゼミナールの活動の基盤の上に立って、更に大きく羽ばたく年にしましょう。今年もよろしくお願いします。


201914


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写真・午後の日に輝く新宿御苑のポプラ並木 2019年1月4日撮影


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