長野県伊那市で「慰安婦」問題について講演~感想
5月13日(土)国際女性デー記念の講演会で私(吉川春子)は、「「慰安婦」問題から考えるジェンダー平等*女性の人権」と題して、今日の「慰安婦」問題について講演した。
長野県は私の故郷であり、かつての選挙区でもあるが、「慰安婦」問題をテーマとした講演はほとんどしたことはない(数年前に上田市と、真田町の「らいてうの家」で其々講演した)。参議院議員引退後、私が「慰安婦」問題に特化して活動していることについて選挙区と言えども知る人ぞ知る、状態である。
私は議員リタイア後、各地で「慰安婦」問題の講演を続けてきた(百回程度?)が、最近自分の講演内容を多少見直している。心境の変化のきっかけは日韓政府合意である。
日韓合意は「慰安婦」に取り組むNGOに混乱
日韓請求権協定50年の2015年12月、「慰安婦」問題について衝撃的に「日韓合意」が行われた。日本の世論はこの合意をもって日韓の「慰安婦」問題の一応の決着と受け止めた。しかし、挺身隊問題対策協議会(「挺対協」)や運動の先頭に立ってきた韓国人「慰安婦」は「日韓合意」無効を主張する。韓国国民の多数からも受け入れられていない。どんなに努力しても日本を許す気持ちにはなれなない程、韓国の人々は傷ついている。日韓合意は「慰安婦」問題解決を目指す運動に混乱をもたらした。
日韓世論の隔たりに苦しむ日々…
「慰安婦」問題解決を目指してきた日本のNGOとして私は、迷い苦しんだ。講演内容もこれまで以上に試行錯誤を繰り返した。それまで私の講演は(韓国)「慰安婦」問題の解決のために日本政府はどう変わらなければならないかとの内容で日本政府に向けての批判が中心だった。
しかし現政府の歴史認識、対韓政策は国民の高い支持に支えられている。国民の意識が変化しない限り、韓国に対する対応は変わらないのだ。「将を射んとすれば馬を射よ」。世論をどう変えてゆくかが私のテーマとなった。
また、これまであまり注目されなかった日本人「慰安婦」問題に時間を割くことにした。同胞の女性も朝鮮半島の女性達と同じように性奴隷として苦しんできた事実をお話しすることで日本の人々が「慰安婦」問題を身近に感じ、世論が変化するのではと考えるからだ。何より「慰安婦」問題は韓国との関係がよくなれば終わりではない、という点を意識して盛り込んでいる。
こうした葛藤が続いている中…私は伊那市の講演会に臨んだ
主催者のお許しを得て、以下に講演を聞いてくださった方々の感想を、掲載させていただく。
(写真・吉川の経歴等紹介する)
<参加者感想まとめ 18通>
1・きちんと聞いたことがなかった問題だったので、(新聞の記事を読んで心を痛めていたことではあったのですが)話しが聞けたこと、お話の内容、とても心からのことばでよかったです。
2・吉川先生 ありがとうございました。 性の問題や慰安婦の問題もわかりやすく話してくださって(あまり詳しいことを知らなかったので)びっくりする程でした。
今までにいろいろなところで断片的に聞いた話が一本につながった様に思います。
最後は本当に憲法ですね。今の政府のやり方にちゃんと反対して行きたいと思います。
3・久しぶりに吉川さんにお会いでき、良かったです。
国会当時のご活躍に増して、女性の平等、慰安婦問題などで研究実践されていて、有り難いです。私たちも、学び、歴史を忘れず、次世代にも伝えて行かなくてはと、痛切に思いました。
4・とても分りやすくお話しをしていただき、ありがとうございました。
私も40歳の頃 中国への侵略戦争について勉強する機会があり、従軍慰安婦についても学びました。戦争という最大の人権侵害の行為の中で、人として扱われることなく、女性が人格を否定されたことに、怒りを感じます。そして、そうした被害にあった女性たちの思いに寄り添う取組みが、私たち女性の人権を守る闘いだろうと思っています。頑張ってください。
5・「慰安婦」の問題は、人権問題であると常々思っていても、本日吉川さんの話の中で、女性自身が立ち上がり、歴史に学び、知ることの大切さを強く思いました。
6・今日はありがとうございました。また機会を計画してくださいますようにお願いします。
7・吉川さんの話し方も とても分りやすく、ききやすかったです。知らないことばかりでした……。 今、人権とはなにか。深いところの勉強を、もっとしっかりして、自分のものとしてまわりにも訴えていき、よりよい社会になる様に頑張りたいです。
知らせていくことが大切!!
8・慰安婦問題は、完全に女性差別 女性の人権を守るべく学習有り
9・私の町にも「慰安婦」にさせられた方がいるかも知れない。先の戦争の加害部分の知らない、かくされた部分を、全国的に調査し、今後に活かすべきと思いました。
10・慰安婦問題を日本人として、より多くの人が真相を知り、学ぶ必要があると感じました。これは女性だけでなく、男性をも理解して、共に運動していくことだと思います。
何よりも関ったのは男性ですから、男性自身も知る必要があると思います。
11・今日は夫と2人で参加しました。何も力になれず歯がゆいですが、「知らなかった」では済まさぬよう努力したいと思っています。ありがとうございました。
吉川先生のお話も伺えてよかったです!!
12・とてもショッキングなお話しでした「慰安婦問題」は正に、私たち一人一人の問題です。日々の生活の中でも、人権意識 大切にしたいと思います。
13・戦後生まれで、父親も戦争に(体調悪くて)行かなかったため、詳しい事を今日、勉強させていただきました。日本の人たちの中に 日本の慰安婦は、金欲しさに、自ら喜んで行った…と行った人がいて、疑問に思っていた。
歴史の勉強で、子ども達に過去の戦争の誤り、事実をしっかり教える必要が、何としてもあると思う。分りやすい話しで、大変良かったです。
14・慰安婦問題 戦争中の事だったのに、事実が明らかになって、いろいろな動きになったのはここ30年くらいのこと。まだまだ完全な解決には時間がかかる新しい問題なんだと思いました。日本人慰安婦の事も分っていない事が多く、何の補償も決まっていないのだし。夕食会の時にお聞きした中国人慰安婦の事も、中国が国として何も言わないからいろいろな数字など出てこない…それでいいのかしら?と疑問が残りました。自分でも調べてみたいと思います。先生、遠くまで ありがとうございました!!
15・慰安婦問題についてこれほど詳しく聞いたのは初めてでした。日本人の方の中にも方用な方がいたことも初めて知り、勉強になりました。 過去を反省せずにまた、同じ様な方向にどんどん向かっている今の政権のやり方。今日の話をきいて、もっともっと一人ひとりが賢くならなければとつくづく思いました。
16・家族制度がどれほど女性を苦しめてきたのかが判りました。自民党の24条改悪について、より深く判ったように思いました。
17・「慰安婦」内容は日本の方ということで、少し話がやさしい様な…以前 阿智のコミュニティーホールで、講師「金 富子」先生の話は、講演の後 みなさん顔を上げる事ができなかった。吉川先生の話 大変参考になったんですが?
18・慰安婦問題を深く捉えることができた。憲法との関係まで踏み込んだ内容で、よくわかりました。人権を尊重する思想が社会的にうすれているように思います。人と人とのつながりを広げて話し合っていくことが大切だと思いました。
開会行事の最中、プロジェクターで映る「六義園のつつじ」、私にとっては懐かしい思い出のある六義園のつつじです。思いがけず目にして嬉しかったです。
上・東京都豊島区の住宅の塀にに咲くバラ
下・ラジオ体操の公園の入り口の小花
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