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2016年7月

2016年7月 7日 (木)

バングラデシュという国と日本、そして参院選

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(写真上・バングラデシュ風景、写真下・ダッカの賑わい)

 

 

  テロ発生の原因除去を

 

 75日の夕刊は一斉にバングラデシュ・ダッカの飲食店でテロの犠牲のなった日本人7人の白い棺と、遺体を迎える20数人の喪服の人々の羽田空港での写真を大きく報道している。家族のみならずとも痛ましい、痛恨の思いがする事件である。「遺族には国から弔慰金が支払われる」という記事も同じ紙面にある。(東京・2016.7.6夕刊)。

以前、日本人は(企業社員の誘拐事件はあったが)国際ボランティア活動は比較的安全であったが、最近はとても危険な状態になって各地でテロ組織IS等による犠牲者が各地で発生している。過激派の犯人は5人で、うち3人はダッカの裕福な家庭出身者であるという。テロの発生原因である貧困、差別の解消と共に、日本人が何故狙われるようになったのか、分析が必要であろう。

 

   豊かな文化の国、バングラデシュ

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(写真上・国会議事堂、写真下・識字率)

 

私は立教セカンドステージ大学でバングラデシュの歴史・文化の授業を半年間にわたって受講した。10年以上前の大水害でバングラデシュは世界有数な貧困国と位置付けられ、数字を見ても大変な国だという認識があったので、どの程度立ち直ったか興味があった。先生はバングラデシュ人の男性で流ちょうな日本語で講義をした。

1、2か月過ぎたある時、先生は「私は授業をこのまま続けられない」と言われた。理由は、立教大の授業は毎時間コメントペーパーを出すことになっているが、その反応に失望した、という事であった。

件のペーパーを書いた男子「学生」が立ち上がって“おくせずに”意見を述べた。「自分はバングラデシュの文化を学んでいるのであって、あなたの歴史認識を聞くために受講しているのではない」という趣旨であった。2、3の他の発言は同じ趣旨のものも、違うものもあった。

確かに先生はアジア太平洋戦争中に祖国が日本からどういう仕打ちを受けたか、という話をしたが日本の「学生」を前に話すためであろうか、かなり控えめに話された、と私は受け止めた。歴史と文化を学ぶときにあの戦争について避けて通れない事は当然である。

セカンドステージ大学の受講者の中にはかつての「企業戦士」(彼らに戦争体験はない)も一定数おり、カチンと来た、という事であろう。しかし仮に、日本人の教授が自分とは違う歴史観を授業で披瀝した場合にも、果たしてこういう発言をするだろうか、という事が私のもう一つの疑問である。(この日の授業終了後に提出されたコメントぺーパーを見て、先生は授業をその後も続けた。)

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(写真上・バングラデシュの女性、写真下・バングラディシュ・国歌)

 

  歴史観を参議院選挙で争点に

 

参院選が終盤を迎え、各紙は「改憲勢力が参議院議員議席3分の2を伺う」との、恐ろしい予想を立てている。国会の発議に必要な議席を衆・参で獲得すれば、まっしぐらに改憲の道を進む危険性がある。

かつて1960年代の総選挙は改憲のための2分の3議席確保がいつも争点になっていたが、その頃は社会党が健全な時代で社共が改憲を阻んでいたことを思い出す。

「政府の行為によって再び戦争の惨禍がおこることのないようにすることを決意し、~この憲法を確定する。」とした憲法前文を踏みにじってはならない。「過去に目を蓋ぐものは現在にも盲目となる」とのドイツ大統領(2015年死去)の警告を今こそ想起すべきではないか。                                                       (吉川春子)

         ◆写真はバングラデシュ出身教授の授業のパワーポイントから引用した。

2016年7月 5日 (火)

絶対おすすめ!ドキュメンタリー映画・「不思議なクニの憲法」(松井久子監督)

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(立教大学正門から1号館を見る)

 
  主催は、「安全保障に反対する立教人の会」
 

 

7月4日大学の授業がほぼ終わった後の時間帯、18時30分より21時30迄、立教大学池袋キャンパスで、~一人一人が大切にされる自由な社会を考える~と題して映画とトークイベントが行われた。(トークセッションは松井久子映画監督と上野千鶴子立教セカンドステージ大学客員教授)、主催は、「安全保障に反対する立教人の会」、後援は、立教大学ジェンダーフォーラム、立教大学教職員組合である。

 

 会場となった7号館7101教室(広い階段教室、100200席?)は満員の盛況。昨年夏に私が参加した「安全保障に反対する立教人の会」の集会は学生の姿があまり見えなかったが、この日は学生が多数を占めた(ように見えた)。昨今の情勢の中で憲法に関する関心が強まっている事を感じた。

 

    社会運動に目覚める人々 

 この映画は昨年の安保法制強行採決や、集団的自衛権行使容認の安倍内閣に対して、今まで政治にかかわらなかった人々が、だんだん目覚めて社会運動に参加してゆくさまをドキュメンターリ―タッチで最初から最後まで描く。主婦、学生、障碍者、女性の発言は瑞々しく引き付けられる。政治家の発言はこう風に人の心をとらえるのはむつかしい、と自分の体験から感じた。

 

私が最も感動したのは日本の政治が、戦争直後から今日に至るまでどう展開してきたのかという、研究者、外交官、海外でNGOとして活動する人、政治家等プロによる分析的発言である。憲法についての長谷部早大教授、日本外交を語る孫崎氏その他(映画プログラムがないので名前は失念した)

    吉田茂首相の負の遺産

 

 日本の政治が如何にアメリカに従属させられているか、(日米安保条約調印という)吉田茂の残した重大な負の遺産とそれを継承した、岸信介、中曽根康弘…。一方アメリカへの従属を嫌い自立(独立?)をめざした田中角栄、石橋湛山…。そして「小沢一郎は米にとって日本の宰相にしてはならない人物」だった、(角栄失脚の)ロッキード事件が米国の陰謀だったといわれている事にも触れる。国政の場に24年間居た私には、あゝ、そういう事だったのかと思い当たることもいくつもあった。

そして今、以前にはなかったような、政権党が目に余る横暴行動に次々と出てくるようになった背景が語られている。

 

 米占領下で憲法なき20年間、保護なき沖縄…今も

 

沖縄は米占領下で日本国憲法は勿論、米国憲法も適用されない「基本法」なき異常な時代が20年間あった。今なお米国支配が最もわかりやすい形で現れている。それは人民の闘いがあるから。

日本国民はそれ(米の支配と日本の政治家の従属)を見抜かなければならない、という識者の警告が心に突き刺さる。

今や、人民の闘いもかつてなく広がっている。他方狡猾・強力二つを手にする権力(米に主導権を握られた日本の政治家たちの)との戦いに勝てるのか、息詰まる迫力で映画は問いかける。

 

ところで、現在、政党CMで自民党は「CMは政党の代表者のみに限定されている」にもかかわらず、自民党員でもないオバマ大統領まで使っている、また、雇用実績、経済実績は「恣意的で完全な誇大広告」である。しかし公選法違反の誇大な政党CMを放映させようと弁護士を使って、テレビ局に圧力をかけている、というのだ。

 

        憲法前文をもう一度

 この映画から私が読み取れるのは、日本の方向を決める責任は有権者であるという事だ。情報は大量に流され操作もされるが事実を読み取って政党・政治家を選択することが有権者の義務であるという事だ。

そうした、無関心ではない、行動する有権者が多数誕生してきたという事が昨年来の安保法制反対の闘いの結果ではないかと思う。

最後には日本国憲法前文が流れる。改めてこの前文の格調の高さ、平和への決意がみなぎる映画である。(吉川春子記)

2016年7月 2日 (土)

第21回ゼミナール なぜ今、憲法24条を変える必要があるのか

憲法改悪と言えば第9条、とお考えではありませんか。9条ももちろん重大ですが、今回私達は、憲法24条に焦点を当てました。ご一緒に考えましょう

   ~~~~~  ☆  ~~~~~

日時 724日(日) 13001630

場所 文京シビックセンター 3階会議室 

<最寄り駅>

 地下鉄・丸ノ内線後楽園駅(4A、5番出口)、南北線(5番出口)徒歩1分

都営地下鉄三田線、大江戸線・春日駅(文京シビックセンター連絡口)徒歩1分、

JR 総武線水道橋駅(東口)徒歩9分

~~~~~ ☆ ~~~~~

 

テーマⅠ 戦前の家族制度復活を目論む自民党

講師:杉井静子・弁護士

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 (ひめしゃら法律事務所所長・杉井氏は民法・家族法の専門家です。1980年代にセクシャルハラスメントという当時日本では聞きなれない言葉を日本社会に導入、セク・ハラは女性の人権侵害であることをとの意識を社会に定着させ、流行語大賞をとりました)

 

自民党の改憲草案

24条(家族・婚姻に関する基本原則)

 家族は社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は互いに助け合わねばならない

 

即ち、自民党は社会の単位は個人ではなく、「家族」としています。これは戦前の家族制度の復活を狙っているからだ、といえます。戦前の家父長制は一家の男性(夫、父、兄、祖父)が家族の生殺与奪の権限を握り、女性は暴力で支配されていました。こうして、「慰安婦」制度は家父長制と女性差別制度の下で、可能になったのです。

 

個人の尊重(憲法第13条)、両性の基本的平等(憲法24条をうたう現憲法の下では「慰安婦」制度は絶対にあり得ません。

 

また、自民党改憲草案の「家族は互いに助け合わねばならない」の文言は、日本国憲法第26条の生存権規定の社会保障の責任は国が担う事を否定し、家族の助け合いによって福祉を肩代わりさせ、国の責任を放棄するものです。これは例えば、認知症の高齢者が線路内に立ち入った事件に対して、見守りを怠った家族の責任に対して損害賠償を請求したJRの姿勢と通じるものです。

 

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憲法9条と24条の関係。過日、文京区民センターで行われた「女性の政治参加」の集会での発言を紹介します(見出しは吉川が付す)

 

〇角田由紀子・弁護士

 

憲法24条について戦争とどういう関係があるかがあまり考えられていない。(憲法24条が)日常生活にあまり関係ないと思っているのではないか。24条は憲法13条(国民は個人として尊重される…)の続きで、個人を大切にして、夫婦は同等の権利を持っていると規定している。

 

かつて国民は戦争に喜んで参加していた。戦争できる人=人殺しができる人。「アメリカ海兵隊の教科書」は人殺しのできる人になる。憲法24条は人殺しのできない人をつくるうえで大切である。人間のあり方は、個人が各々独立している事。米の軍隊の教育で、海兵隊員は“私”でなくなる教育をされる。新兵はℐ(アイ),me(ミー)を使わない。(海兵隊員は恐ろしい教育をされて沖縄に送られてくるのだ!)。憲法24条が重要な条文という意識が(日本社会に)なかった。社会は個人でなくパッケージで構成される。どういう人をつくるか憲法で規定されるのだ。

 

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テーマⅡ

 

特別報告 国連女性差別撤廃委員会と「日韓合意」について

講師:大森典子・弁護士 当ゼミナール副代表

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20151228日、日韓政府合意後、その履行について障害になっているものはなにかについて、大森弁護士が報告します。事前に被害者である女性達の意向を全く聞かないで行われた「合意」に対して、これまで日本政府の責任を追及し、謝罪と補償を求める運動をしてきた韓国人「慰安婦」と挺身隊問題対策協議会は猛反発して、無効・白紙撤回を求めています。

 

また2月には、国連女性差別撤廃委員会で日本の女性の人権全般にわたる勧告が出されました。「慰安婦」問題に関しても従来の延長線上の勧告と、「日韓合意」にも言及されています。

これらを含めて報告します。

 

 

 

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